ものの形における基本的な比率となっている黄金比と白銀比は,従来,互いに独立した比率であると考えられてきた.しかし筆者は,菱形十二面体の黄金化および菱形三十面体の白銀化というプロセスに基づき,この二つの比率の間には三次元において密接かつ相互補完的な関係があることを発見した.
準正多面体の双対多面体は5つの型に分類され,それぞれの型に2種類の多面体が存在する.菱形多面体は十二面体と三十面体,凧形多面体および五角多面体はともに二十四面体と六十面体である.これらのうち面数の少ない立体は白銀比,面数の多い立体は黄金比に基づいている.この白銀比に基づく多面体の各面と黄金比に基づく多面体の各面を互いに入れ替えて2分割するというプロセスを黄金化・白銀化と呼ぶ.
後述するように,上記の2つの菱形多面体は型Ⅱ、凧形多面体と五角多面体はそれぞれ型Ⅳおよび型Ⅴに属する. そこで筆者は、凧形多面体と五角多面体の黄金化・白銀化も実施してその結果を検証した.(型Ⅰと型Ⅲに属する多面体の各面は三角形なので、黄金化・白銀化の対象には成り得ない).この論文は,これらの点についての研究・考察をまとめたものである.
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三次元における白銀比・黄金比の相互補完性および、準正多面体の双対多面体の白銀化・黄金化 Jan14 12
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