私は15年以上前から、数学上の特別な比である黄金比、白銀比、黄金二乗比、白銀二乗比,白銀三乗比、等に焦点を当てた幾何学分野の研究をしています。これらは白銀二乗比以外全て無理数で、その小数点以下4桁までの値は、下記のとおりです。
黄金比——– 1 : 1.6180
白銀比——– 1 : 1.4142
黄金二乗比— 1 : 2.6180
白銀二乗比— 1 : 2.0000
白銀三乗比— 1 : 2.8284
黄金二乗比は黄金比の二乗であり、その小数点以下の数字は黄金比と全く同じです。また、白銀二乗比は白銀比の二乗、白銀三乗比は白銀比の三乗です。そして、黄金菱形、白銀菱形、黄金二乗菱形、白銀二乗菱形、白銀三乗菱形とは、それぞれ、対角線の長さの比が黄金比、白銀比、黄金二乗比、白銀二乗比、白銀三乗比になる菱形のことです。また、白銀長方形、白銀二乗長方形、黄金長方形,黄金二乗長方形とは、それぞれ、2辺の長さの比が白銀比、白銀二乗比、黄金比、黄金二乗比である長方形のことです。
黄金比は古代ギリシャの時代から知られて数多くの幾何学者たちによって研究しつくされています。しかし、最も重要な多面体の一つである菱形12面体が白銀比に立脚しているにもかかわらず、白銀比および白銀比グループに属する他の比については、詳細な研究がこれまでほとんど為されてきませんでした。しかし私は、3種類の菱形多面体を注意深く研究することにより、黄金比グループに属する比と白銀比グループに属する比の間に極めて密接な関係がある、ということを発見しました。この研究とその成果をまとめた英語の論文が『形の科学界』発行の英文科学誌”FORMA”2021年(第36巻)第1号に掲載されました。是非ともご覧下さい https://www.jstage.jst.go.jp/article/forma/36/1/36_1/_article/-char/ja。
これらの研究を進める上で、佐藤郁郎先生、一松信先生、宮崎興二先生、故渡辺泰成先生、秋山仁先生からいろいろとアドバイスを頂いており、これが私の研究を進める上で大変助けになっています。特に佐藤先生は、新たに創られた多面体の二面角の計算を含む、時間のかかるサポートをして下さいました。あらためて諸先生方に心からお礼申し上げます。また、多面体木工の達人であり、『積み木インテリアギャラリー』を主宰されている山﨑 憲久氏(中川宏氏)にも、常日頃お世話になっています。ちなみに、下の写真の木工模型は中川さんが製作して下さいました。
エジプト・ギザの大ピラミッドは黄金比と白銀比に基づいています。一般に大ピラミッドは正四角錐形状であると信じられていますが、これは真実ではなく、実際は八面体形状です。この点は、2011年に製作されたジャック・グリモー氏原作の映画『ピラミッド 5000年の嘘』においても明らかにされています。これは、2つの合同な正四角錐が正方形の底面を共有するように結合された形です。これはまた、4枚の黄金菱形が短い対角線で山折りされ、各々の鋭角の頂点が共有されるように結合された立体でもあります。実のところ、大ピラミッドは黄金比にちりばめられた立体なのです。また、白銀比は、底面である正方形に内包されています。
この分野における私の研究から、下記の事実が新たに見出されました。
これらの新発見はすべて上記の英語論文にまとめられています。このホ-ムページにも入っていますので、自由に閲覧することができます。
4次元空間、6次元空間、10次元空間、12次元空間における立方体をある特定の条件の下で3次元空間に投影すると、それぞれ、菱形12面体、菱形30面体、菱形90面体、菱形132面体になります。それゆえ、上記の特別の比は、高次元空間における立方体とも密接な関係をもっているように思われます。しかし、なぜ高次元空間における立方体を三次元空間に投影すると菱形多面体になるのでしょうか?また、なぜそれらが上記の特別の比に基づく菱形から構成されるのでしょうか?これらの点は今でもまだ解明されておらず、謎に包まれています。今後の課題の一つはこれらの謎を解明することです。