オリオン形而上学研究所

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ピーター・ムーン氏から提供される最先端情報

『エジプトの謎:第一のトンネル(Mystery of Egypt: The First Tunnel)』のあらすじ 《その2》

1か月前(2012年6月末)に、『エジプトの謎:第一のトンネル(Mystery of Egypt: The First Tunnel)』のあらすじ 《その1》をご提供しました。今日お話するのは、あらすじ《その2》です。

ルーマニア・スフィンクスの左横顔

あらすじ《その1》は、謎めいた 錬金術師エリノーに言及しています。エリノーはルーマニアの首都ブカレストに風変わりな別荘を所持していますが、ラドウー・シナマーは、この施設の番人になるように依頼されました。この別荘の地下には驚くべき錬金術研究室があるのです。その後間もなくラドウーは、彼の古くからの友人であるセサール・ブラッドによって、『デパートメント・ゼロ』と呼ばれる組織の局員として採用されました。この組織はルーマニア諜報機関の中の最高秘密部局です。そしてラドウーは、ルーマニア・スフィンクス地下の部屋からエジプト・ギザ平原の地下に存在する異なるタイプの部屋へと通じている秘密のトンネルを探索する探検隊の一員になりました。ギザ平原地下の部屋には生体共鳴装置があり、それを使うことより過去や未来への意識の旅が可能になるのです。

この探検隊には米国ペンタゴン(国防総省)から派遣されたアメリカ人が加わっており、彼は最高機密に属する最先端ノート・パソコンを所持していました。彼が直観的に操作するそのコンピューターは、複雑に入り組んだホログラフィー画像を表示できるだけでなく、ヒルベルト空間にも繋がることができるのです。(数学におけるヒルベルト空間はユークリッド空間の概念を一般化したものですが、典型的には無限次元の函数空間として数学・物理学・工学等の各所に自然に現れるのだそうです。)

この人生最大級の冒険旅行において、考古学が未来の科学に相まみえるのです。そして、これまで私たちの世界で考えられたことのないような方法でエジプトの秘密に迫ります。

もしも上記の話がすべて空想科学小説のように思われるのなら、それは、ラドウーが経験した出来事や状況が、いわゆる普通の人々のよく知っている世界の出来事や状況と異なるからなのです。この本はまさに途切れることなく続く壮大な冒険話であり、話の突然の逸脱やあらゆる種類のもっともらしい策謀に満ちています。また読者は、論議を呼びそうな情報に出くわして、著者の信用性を疑うような事態になるかもしれません。これらの多くはキリスト教に関係しているのです。

ピーター・ムーンが直接体験によって認識したように、「ルーマニアにはキリスト教に対する非常なる文化的偏見がある」ということを記憶にとどめておくことは重要です。この考え方はアメリカ人のキリスト教に対する姿勢と全く違います。ルーマニア人はキリスト教の教義を極めて真剣に受け止めますが、必ずしもそれを声に出しません。また、次の点に留意することも重要です。共産主義体制の時、ルーマニアの社会は自由ではありませんでした。そしてあの困難な時代、多くの点でキリスト教がルーマニア人にとって唯一の希望と光の導き手だったのです。この本において、セサールとラドウーが彼らの経験やさまざまな出来事の解釈を述べていますが、それを読む際にこれら事実を認識し受け入れることは、読者にとって大変重要であり適切なのです。

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